往還道を訪ねて
黒森山と旧松山街道
2011.11.6 曇り時々小雨
道分⇒朽木峠⇒黒森山⇒鈴ヶ峠⇒旧松山街道⇒道分
 「あーっ明日はお山に行けんわぁ…」夜半には雨となった休日前夜のことである。こんなときはゆっくりと休養をと遅寝を決めて布団に潜り込むのだが習性とは恐ろしいもんですわ。ちゃ〜んと5時頃には目が覚めるものですねぇ…以前聞いた話によると眠るということは以外に体力を必要とするもので基礎体力の低下は眠りが短い、浅いとなってしまうらしい。そぅいやー若い頃は平気で昼ごろまで寝れたのに最近は寝過ぎるとかえって身体がダルくって…
 起き抜けに気象庁HPレーダーナウキャストをチェック、しめた!東シナ海から流れて来ている雨雲の塊は以外と小さいようだ。上手くいけば午前中には雨雲は一掃されるのではないか…ふんふん♪こんな日もあるだろうと前に考えて温めておいたとっておきのプランがありますバイ。
 以前お山で知り合った高知遠足倶楽部の方々が主催の一端として企画した旧松山街道ウォークの話を聞きかじっていてちょっと興味を抱いた。また隣に聳える黒森山(1017.3m)は高知新聞社刊の四国百山ながら車で山頂まで行けるとあったので越知の街中から見える端正な山姿ながら興味半減な山として出向いたことが無かったのです。っで、このちょっと興味の旧松山街道と興味半減の黒森山とを足して100%にして登っちゃえと効率が良いのか短絡的思考が良いのかは深く考えないことにして実行してみることになったのです。
 ところがオイラの予想に反してなかなか雨は降り止みません。15分置き位に気象庁HPをチェックしますが雨雲が千切れてはたなびきサッサと通過しません。「ええ〜い偏西風はと゜ーなっとんじゃぁぁ」と罵りつつ9時…10時…11時と刻々と時間は過ぎていきます。うむーかくなる上は…「行きゆう内に必ず止むろー念ずれば叶うぅぅぅ」全く根拠のない信念を抱いて11時半に自宅を出ました。下調べで得た情報で登山口は越知町立横畠小学校上とありましたのでナビに設定し越知の街中を過ぎ横倉橋を渡り横畠集落への急な坂道をレガシー君はクネクネと登って行きます。集落を過ぎヘアピンカーブを2度過ぎると車道が尾根を跨ぐ場所に登山口と旧松山街道の入口を示す立派な看板がありました。駐車は邪魔にならないようにと少し手前の貯水施設横に停めました。

車道が尾根を跨ぐ場所

駐車地点

登山口

この場所は道分と呼ぶらしい

説明板

黄色の花(名前が判りませんの咲くコンクリート道を進む)

左手に用水池 虎吾堀

錦鯉?
 念じても雨は止まなかった…12時30分小雨が降る中、ビニール傘をさして歩き始める。コンクリート道を進むと左下に虎吾堀と呼ばれる用水池がある。脇で生姜の収穫をしていたお百姓さんらに「あめんなか黒森山かぇ?えろうないかえー」と話しかけられる。「はへぇ慣れてますきに」と答えたものの顔は引きつっていたのではなんろぉか?
 少し先でコンクリート道は左へと廻り込み黒森山横道とある。横道の意味がよく判らないが旧松山街道は直進とあるので急坂へと進む。登り詰めると再びコンクリート道に出る。先ほど横道の案内は単純にこの道が回りこんできただけなのだろうか?商人休場と案内がありさらに少し進むと右手に山椒畑がありここでコンクリート道は終わり地道となる。

右の自然石には山本虎吾堀とある

虎吾堀なのか虎吾池なのか…?

商人休場

果樹園風の山椒畑

軽四なら充分通れそうな旧街道

楠本さんち跡なのね

耳切れってなんだろう?

お茶屋跡

旧松山街道は幅一間(1.8m)もあった往還道

稲村集落へ続く山道が右下へ

九里塚と黒鯛三蛇神

社でも有るのか?覗いたが台座らしき石が数個あっただけ

傘を差しても充分歩けます

歩き始めて45分でベンチの有る鞍部に至る
先ほどと同じように稲村集落へと続く山道が右下にある
 軽トラかジープ型の車ならなんとか通れそうな幅の広い道が延々と続いている。小雨が降っているので傘を差して歩くにはおあつらえ向きだ。箸蔵街道を歩いた際もそうだったが傘差し歩きには旧街道歩きがぼっちりだ。お茶屋跡付近では少し急な登りもあるが概ね小さなアップダウンを繰り返してなだらかなP725mを過ぎると少し下り丸太の対座する朽木峠と名付けられた鞍部に至る。10分程休憩をして13時25分に再び歩き始める。すぐ先で一間道は左へと曲がり山腹を巻くように伸びている。尾根元には黒森山への道標があり上に鳥居が有る。どうやらここで旧松山街道とは別れ、黒森山への登山道となるようだ。
 概ね平坦だった旧街道から急な山道になったもんだから息が切れたが少し進むと尾根は穏やかになりうまい具合に雨も止んできた。竹林を左に見て登り詰めると前方が開けて伐採地跡に出る。上部を仰ぐと山頂に有るらしい鉄塔が数台見える。

鞍部の地名は朽木峠

旧街道と山道の別れ

山道

竹林

前方が開ける

伐採地と山頂の鉄塔
 伐採地と自然林とのコンタクトラインの急坂を登ってゆく。丸太で組まれた階段があったようだが既に朽ちていて用を足さなくなっている。最後の最後でとても急な坂道で息を整えつつゆっくりと登って行く。途中に車道へと逃げる横道があり、そちらに行けば山頂へは楽そうだけど折角なので山道を詰めたい。山頂直下で山道の傾斜は落ちて山腹を横切るように伸びている。笹林は植えられたものだろうか?巻き上がると黒森神社の鳥居横に出、鉄塔が立ち並ぶ広い山頂広場に着いた。時刻は14時丁度。登山口から1時間半だった。

伐採地の境目の尾根を登る

途中で車道へエスケープできる

センブリ

アキノキリンソウ

山頂直下 右下は笹林

赤い実は何だろう?

山道を抜け出る

黒森神社

山頂三角点

五在所山へと続く稜線
 山頂のベンチで遅い昼食を摂り広場の奥にある三角点を確認した。北側に降りる山道があったので少し進むと岩の上に祠が置かれており先は伐採地となって山道を消えていた。さて遅くならないうちに下山にとりかからなくてはいけない。まだ鈴ヶ峠に寄り道もしなくちゃいけないんだから…
 14時25分南へと下る林道へと進む。先ほど登りの途中にあったエスケープ道のカーブ地点より林道は山腹を巻いて北へと回り込んでいる。梢の間から西へ連なる稜線が見えたが鈴ヶ峠の位置は確認できなかった。林道が北端でヘアピンカーブをきって折り返す場所に山道の進入路がある。西の稜線へと進むにはこれしか無いだろうと進み薄暗い植林地に入る。作業道の終点から尾根に上がると広い台地状のピークで地図で確認するとここで尾根が北と西に分かれている。コンパスで確認して西へと進むと小さな岩上に立ち左より迂回して明確な尾根道に入る。

山頂から南面を望む

東面を望む

林道を下る

樹間より鈴ヶ峠方面を望む

北側のヘアピンカーブの箇所に尾根道の侵入路あり

尾根先の小さな岩場

尾根道

荒れた尾根上
 西へと続く稜線のすぐ南には林道が通っているので尾根通しには山道が有るか懸念していたが充分な山道が有り10分ちょっとで荒地のような場所に出た。先のスズタケの中にはもう山道は延びていない。林道に出ようと思いススキをひと掻きしたら林道に出た。なぁんだ。荒地は資材置き場か残土置き場跡で林道の脇に在ったのだ。ヘアピンカープを2回通過して進むと左下へ下る林道と先に灯篭が見えた。呆気なく鈴ヶ峠に着いたものだね山頂から30分弱しか経っていない。
 鈴ヶ峠の二つの灯篭脇から稜線を越して北へと山道が下っている。旧松山街道はこれから山道を下り池川へと降りるわけだが本日はここで引き帰さなければならない。この頃になると雨雲の間から薄日が射してきた。傍らに在る道標の「見ノ越」が何故か気になって林道を西へと進んでみたが延々と続いているようなので途中で引き帰す。灯篭の石組みに腰をかけて暫し昔の旅人に思いを寄せてみる。

林道を歩く

左下から林道が合流して先に灯篭が見える

鈴ヶ峠の古い灯篭

北斜面へと下る旧街道

西へ林道が続いてある

古道を散策するのも結構好きだ
 15時10分過ぎ。もう本当に帰らなくていけない。先ほど合流した林道へと下り少し進むとヘアピンカーブに着く。地図で確認すると林道は先で大きき西に降って折り返している。街道が車が通れる道と同じようになってはいないだろうとカーブの先を覗くと山道が下へ延びている。進むと幅広で一間道路で間違いない。旧道には間違い無いだろうと疑いも無く進むと涸れ沢を渡った先が山道がプツリと途切れてしまった。??上下に移動して道を探すが全く見当たらない…「先ほどまであんなにはっきりとしていたのに?」狐に化かされた気がして引き帰そうと身を返したら20m真下に林道があるではないか。「え〜い強行突破で降りちゃえ!」藪に突入したものの潅木の密集で七転八倒…抜け出すのに10分余りもがきました。とほほ。。素直に林道を歩いてくればよかったとは後の祭りでござんす。

左上へは黒森山へ 旧松山街道は右下へ

最初のヘアピンカーブから続く旧街道らしき山道

忽然と道が無くなる 真下に林道

三叉路(地図では四差路)は左へ
 林道となっている旧松山街道は山腹を延々とまいている。鈴ヶ峠から25分(藪のロスタイムが10分)でながらかな山裾に数件の人家のある三叉路に出る。地図上では三叉路なのに?と左へと進むと先に二股となっていて右へと進む。17分くらい再び山腹を巻き進むと林道が二股となっていて朽木峠とある。
 「あれ?おかしいぞ…行きも朽木峠というところを通ってきたけどベンチのある鞍部でこんなところじゃ無かったぞ」道標には黒森山登山道1.3Kmとある。合流するのにそんなに離れているのだろうか?疑問に思いつつ左折して薄暗い林道を200m程歩くとあっけなく山道取り付きの鳥居とすぐ下にベンチのある朽木峠の鞍部が見えた。「なぁ〜んだ。朽木峠は2ヶ所あったのねぇ紛らわしいナァ」
 ともあれ行きに通った道に合流できて一安心。あとは広い旧街道を一気に歩き16時20分車に帰り着く。

三叉路の道標 右端の青い道標が正確だ

三叉路から少し進むと二股 右へ進む

朽木峠?

左上に鳥居 黒森山の山道取り付きに合流

駐車している車が見える
あとがき

 行動時間4時間余りと意外に楽な山旅でした。山頂まで車道が通っている黒森山も充分な登山の対象でした。

 身近な里山と古道歩きも良いものです。
 

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